会長挨拶
第90回日本皮膚科学会東部支部学術大会
会長 井川 健
(獨協医科大学医学部皮膚科学講座 主任教授)
2026年11月28日、29日の2日間にわたり、栃木県宇都宮市にて第90回日本皮膚科学会東部支部学術大会を開催させていただきます。会場はJR宇都宮駅直結の「ライトキューブ宇都宮」であり、そのアクセスの良さには定評がございます。まず、このような大会を開催する機会をいただきましたことに、深く感謝申し上げます。
本大会のテーマは、意欲的に二本立てといたしました。 一つ目の「不易流行」は、蕉門(松尾芭蕉の門流)の基本理念として知られる言葉です。「変えてはいけない根本(不易)」を大切にしながら、「新しい変化(流行)」を柔軟に取り入れることこそが本質であるという教えは、まさに近年の皮膚科学の歩みに重なるものと感じております。 もう一つの「知るは楽しむに如かず」は、論語の一節に擬した表現です。知識を単なる情報として得る段階を超え、心から楽しむレベルにまで昇華させてこそ真の価値がある、という思いを込めました。 この二つを合わせ、「皮膚科学における不易流行を、楽しみながら実践していきましょう」というメッセージを皆様にお伝えできれば幸いです。
プログラムの構成については、皆様に資する内容を追求するあまり、嬉しい苦労を重ねました。招聘講演には、私の留学時代から師事しておりますThomas Bieber教授をドイツからお招きし、アトピー性皮膚炎の最新知見をご講演いただきます。特別講演には、私が東京医科歯科大学(現:東京科学大学)在任中の恩師の一人であります横関博雄先生、大阪時代に大変お世話になりました大阪大学微研招聘教授の竹田潤二先生、そしてILC2の発見者として著名であり、栃木県のご出身でもある大阪大学教授・理研チームリーダーの茂呂和世先生にお願いいたしました。
さらに、大学の業務を通じてご縁をいただきました特許庁審査第一部調整課長の中野宏和氏には、知的財産や産学連携、アカデミアにおける特許申請の実務等についてお話しいただきます。また教育講演では、ヒトの記憶に関する最新研究について、本学先端医科学研究センターの大川宜昭教授にご登壇いただく機会を設けました。 その他、当教室の研究テーマに関連した遺伝性皮膚疾患と皮膚バリア機能に関する2つのシンポジウムや、私自身のこだわりを反映させたアトピー性皮膚炎関連のシンポジウムなど、多岐にわたるプログラムを用意しております。ご出席いただく先生方には、必ずやご満足いただけるものと確信しております。
開催時期は11月末となりますが、近年の気候を鑑みますと、まだ紅葉の名残を楽しめる時期かと存じます。少し足を延ばせば日光、鬼怒川、那須といった名勝・保養地が控えております。宇都宮に留まり「餃子三昧」を堪能されるのも一興ですが、ぜひこの機会に晩秋の下野(しもつけ)の魅力を心ゆくまでお楽しみください。
2026年5月
